メッセージ8

事業開発部門におけるデジタルブレイン開発室の新設について

SIPでは、これまでの20〜30年間が、ICT・インターネットの事業領域がイノベーションの中核分野として世界のビジネス・経済を牽引してきたのに対し、今後はこれらのインターネット技術もベースにしながら人間の命を永らえさせるテクノロジーやサービスが次のイノベーションの中核分野を担っていくと想定しています。

近年はアメリカ・アジア・イスラエルなどグローバル化・クロスボーダー化の対応とともに、新分野であるヘルスケアの分野をこれまでのバイオといわれる薬の開発という領域を超えるスケールで捉えていきたいと考えています。

まずは長寿社会に向けて50歳くらいからはじまる体の劣化を防ぐ健康維持の時期から、目耳等五感のパーツの衰えが始まっていく時期、そして脳梗塞やアルツハイマーなどの体のパーツに加えて、人間のマイクロプロセッサーである脳の劣化、そして最後の時を準備するターミネーション治療の時期。これらを過ごす場が、家族が万能でなくなる社会環境のなかでのケア・マネジャーやシニア向けの施設、各種病院などの施設サービス。さらに癌治療・脳梗塞・心臓病などの多くの致死に至る病気に対する対抗策と予防・事前健康チェックなどの分野などが世界中の潮流として進んでいっています。アメリカではこの老齢人口の拡大の動きを SILVER TSUNAMI と呼ばれており、2015年から2030年にかけて世界の人口のなかで65歳が占める割合が半分を占めていき、その潮流の先頭に立っているのが日本ということで説明されています。

このSILVER TSUNAMI の潮流のなかでAGE TECHと呼ばれる分野が新たにベンチャー投資の分野で着目されており、この分野の技術はメディカル・インターネット・ロボット・AI・再生医療・サービスなどほぼすべての既存の分野を統合するかたちで新しいシニア消費者にどのようなかたちで提供していくかということでみられております。

今回、SIPではこのAGE TECHの分野のなかでも、極めて影響力の大きい脳梗塞・アルツハイマー・鬱などの分野の新しいソリューションとして期待されているデジタルセラピーの分野に着目し、理化学研究所等で脳の神経回路を研究、神経細胞レベルから心理レベルまで脳の仕組みを研究していた片野和彦を室長に事業開発部内にデジタルブレイン開発室を新設しました。デジタルブレインのプロジェクトとしては、VRを利用して脳内回路がダメージを受けた脳の回路の再生(リコンストラクション・リワイヤリング)を行うマシン・プログラムの開発を進めつつ、グローバルな最先端のソリューションを研究してまいります。

デジタルブレイン開発室では、脳の回路の再構築・強化、それを受けてのアウトプット能力の強化のためのコミュニケーション出力や運動機能出力の強化、さらに日常生活におけるモニターリングとしてのデジタルヘルスの体調管理などとプロセス化させていきます。(デジタルブレイン・リストラクションのプロセスを参照)

今後は、SIPはICT・インターネットとAGE TECH・LIFE TECHの領域を中心にシードからのインキュベーションをグローバルに展開するプロジェクトに積極的に関わってまいりたいと思います。今後の新展開にご期待ください。

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